投資信託の分配金とは?

投資信託における分配金とは、運用によって得られた収益を決算ごとに投資家(投資信託の購入者)に分配するお金のことです。
銘柄によって分配金のあるものとないものがあります。


1.貯金の利息や株式の配当金とはどう違うの?
預貯金の利息は、事前に決められた利率にもとづいて支払われますが、分配金の額は運用成績によって異なります。
また、株式の配当金は、投資先の企業が利益の一部を投資家に支払う仕組み(企業が支払う)ですが、分配金は半年や1年など一定期間での投資信託の運用状況に応じて、運用会社から支払われます。


2.分配金は必ず出るもの?
投資信託には分配金が出ないものもあり、その分配金は運用資金に組み込まれて運用されます。
「分配金ありは、分配金を受け取り、短期間で利益を確保できますが、複利効果を期待できないデメリットがあります。
「分配金なし」は、短期の利益を確保できない点がデメリットですが、元本に運用益が組み込まれていくので、複利効果を期待できるのがメリットです。


3.分配金は2種類!
国内投資信託では、分配金には普通分配金特別分配金(元本払戻金)の2種類があります。

普通分配金は、運用によって得られた利益(=元本を上回った分)を投資家に支払います。普通分配金は投資家の利益になるので、課税対象となります。

一方の特別分配金は、利益ではなく元本の一部を投資家に「戻す」仕組みです。
特別分配金は、個別元本を下回る部分から支払われる分配金です。
払い戻された特別分配金の額だけ基準価額(個別元本)は減少しますので、運用資金が減ります。特別分配金は「元本の一部が戻ってきただけ(利益ではない)」という考え方なので、課税されません。


4.分配金を受け取る?再投資?

* 少しずつでも定期的に現金で収入を得たいなら「受け取る」

分配金を受け取るメリットは、定期的に現金収入が得られることです。
投資信託の種類によって、分配金を受け取るタイミングは年1回、2回、4回、隔月、毎月など複数のパターンがあります。
分配金を受け取ると運用資産が減少するので、分配金なしの場合や再投資する場合に比べて、運用効率は下がってしまいます。

* 長期的な運用を考えるなら「再投資」または「分配金なし」

長期的な視野で運用を考えるのであれば、分配金を受け取らず、再投資に回したほうが、運用効率の向上と複利効果が期待できます。
分配金に対する考え方は、投資家の年齢や投資スタンスによって変わってきます。
まずは、自分のライフスタイルに合っているのが、定期的に現金で収入を得ていく形なのか、長期投資での運用効果を意識する形なのかを考えてみてくださいね。